自分の苗字と同じ名前の山があることを知った龍也は、その山脈を見てみたい一心で親に無理を行って旅費を工面してもらいアドベンチャーツアーに参加したのだ。しかし治安の悪いこの国で一人で行動していた時に一服盛られて所持品を盗まれた上、草原に放置されてしまい途方にくれる。そんなとき車とヘリコプターの音に気づき助けてもらおうとするが、現れたヘリは車に機関銃を撃ち、車に乗っていた女性は対抗してヘリをロケットランチャーで撃墜する。車に乗っていたのは、ヘリを撃墜した古風な広島弁を話すサラサという美しい女性と、リューカというまだ14、5歳の可憐な少女だった。二人はセリカスタン七大部族の一つキンリ族の代表だが、内戦が勃発した今では政府に追われるお尋ね者だというのだ。行く宛てもない 龍也は否応なしにその逃避行に巻き込まれ…!?
他のライトノベルの主人公と違い、特別な能力も才能も優れた人格的魅力も何もない、あるのは「普通の人間なんかになりたくない!」という過剰な自意識だけの平凡な高校生・天山龍也が淡い恋心を抱くお姫様リューカの為に、部族紛争の止まないセリカスタンを救う英雄になるというお話。
はい、王道ですね。何もできない無力な少年が、ヒロインのためにヒーローになるという直球ど真ん中の超王道です。
でもいいんですよ、これが。王道には王道の良さがあると申しましょうか。 どこぞの東京ドーム地下闘技場の持主ではないですが、「超人もどきの天才主人公が横行する昨今、気持ちのいいくらいのクラシックじゃな」といいたい。
主人公に手を貸してくれる人はメチャ有能で敵は無能だったりと、キャラクター・設定・ストーリー全てがご都合主義極まるお話なんですが、いいじゃんそれでも。ご都合主義でお約束展開の連続でもいいじゃん、面白ければ。
イラク日本人人質事件とか、実際に中国が資源のある発展途上国でどれだけえげつないことやってるかとか、最終巻日本にテロリスト送り込んでくるのがモロ北朝鮮だったりと、国際社会とか近現代の歴史知識などを持ってると、かなり楽しめる要素が満載なのも個人的にはポイント高い。
たまには勧善懲悪で王道極まる作品読みたくなる貴方へ。店長が個人的趣味丸だしでオススメします。


